“スケベ博士”開発で人生が変わった!?プロダクト開発で道を開いた敏腕マーケターのキャリア形成術。Daiさん 突撃インタビューvol.2

突撃フリーランスインタビューでは、現役で活躍しているフリーランスのリアルや意外な素顔に迫っていきます!

Dai
【インタビュイープロフィール】
Dai@never_be_a_pm 
AIエンジニア・マーケター。
AIエンジニアとしては、独学で開発した「文字起こし君」や「スケベ博士」が大ヒット。
マーケターとしても数々の情報を発信。2000年代生まれの若者にリアルな生活の発信を勧めた「#ミレニアムnote」が一大ムーブメントとなり大きな反響を呼んだ。
現在はBtoBマーケティングやメディア運営、受託開発など行いながら、Twitterやブログにて情報発信をしている。
2019年3月にKADOKAWAより『独学プログラマーのためのAIアプリ開発がわかる本』を出版。

初芝
【インタビュアープロフィール】
初芝賢(@hatushiba_ken
東京フリーランス編集長。
現在はシステム開発のPMや新規事業に携わる一方で、フリーランスライターとして出版・キャッチコピー・WEBメディア連載などを手掛けている。
東京フリーランスではインタビュアーや司会進行を務めることが多い。

とだ
【たまに話へ入ってくる人】
とだこうき(@cohki0305
東京フリーランス運営メンバー。
営業から転職し、6ヶ月でリードエンジニアになったフルスタックエンジニア。
その後半年でフリーランスとして独立し、ブロックチェーン・機械学習の案件に携わる。
現在はフリーランスエンジニアの経験を活かして、「ゲスエンジニア」という名前でSNS・ブログ・YouTubeにて情報発信をしている。
Daiさんとは以前からの知り合い。

大学時代は教師を目指していたが…?

初芝
DaiさんはいまやバリバリのAIエンジニア兼マーケターという印象ですが、学生時代からエンジニアを目指していたんでしょうか?

Dai
いえ、ICUでは英語とリベラルアーツを学んでいました。
もともと先生になりたかったんですよ。
アクティブラーニング的な授業をしたかったんです。

アクティブラーニング…学生が能動的に学習する学習方法。ディスカッションやグループワーク、ディベートなどが用いられる。

初芝
それは何故ですか?
Dai
塾にいたときそういう先生がいて。
英語の先生で、過去問だけ渡して40分間グループディスカッションさせるって授業があったんですよ。
ひたすら答えの根拠を話し合って、最後の20分に答え合わせをするみたいな。
論理的に説明する機会を作る授業で、僕にとってそれがすごく良かったんですね。
Dai
それともともと人に教えるのが好きだったていうのもあり、教職を取っていました。
教育とテクノロジーを組み合わせたEdtech(教育×IT)系企業で四年間インターンもしたりと、教育への関心が強かったんですね。
けど、大学三年の冬に介護等実習を最後に、教師を目指すのはやめました。
なので教壇には立っていないんです。
初芝
Daiさんはnoteやブログの記事も丁寧でわかりやすいし、教師はとても向いてる印象です。
どうして教師を目指さなくなったんですか?
Dai
色々やってるうちに、教育は「教える」というより構造的にダメなんじゃないかと思うようになったんですね。
学校の先生になると、「ゴール」が見えなくなるんじゃないかと。
間違ったところに最適化しちゃう。
初芝
どういうことですか?
Dai
例えば、自称進学校とかだと合格実績がKPIになりがちなんですよ。
めちゃくちゃ優秀な人をたくさん集めて、合格実績を作って、それでまた優秀な人を集めるというサイクルにしようとする。
でも、それだと母集団形成をしくっている場合にも、「東大合格だー」って突っ込ませるみたいなことが起きるんですね。
KPI…Key Performance Indicatorの略。目的に対して一番大事な指標のこと。
Dai
正しいKPIを設定するためには、全体設計できる立場にいかないといけないんですよね。
財政的な話になるので。一介の教師じゃ難しい。
そこで次に「学問の力で変えよう」と教育社会学を東大の院で学ぶことも考えたんですが、政治でも変えるのに時間がかかるなと。
Dai
それで結局行きついたのが、ビジネスだったんですね。
人事のコンサルティングサービスとか、組織を活性化させる会社を受けて。

どん底の時に観たある映画との出会いが進路を変えた

初芝
教師⇒学問⇒ビジネスという変遷があったんですね!
それで人事系の会社に就職したんですか?
Dai
いや、それが内定辞退しちゃったんですよ。
大学四年の七月に「なんか違うな」と感じ初めて。
もっと他の業種も見たくなって。
初芝
え!
ということは四年の夏から就活再開ですか?
Dai
そうですね。無い内定になって就活再開です。
とても苦労しました。
「君、なんで売れ残ってるかわかる?態度が悪いよ」とか言われたりして。
それで「もう就活やめよう」と病んで映画ばかり見ていた時期がありました。
初芝
今のDaiさんからだと想像がつかないですね…。
Dai
で、その時にFacebookジョブズの映画を見たんですよ。
それで一気に「ITいいな」と興味を持つようになって。
そこからIT系の会社を受けて、ワークスアプリケーションズというメガベンチャ―の内定をもらいました。

「卒論で出会える出会い系アプリ」!?

初芝
映画で人生が変わったんですね!
それまでIT系は未経験ですか?
Dai
大学一年生の時に高校生向けの学習アプリを作るNPOで少し触ったくらいで、ほぼ未経験ですね。
でも、興味を持ってからはプログラミングを始めて、実際に自分でサービスを作りました
初芝
おお!そこからサービスを作るところまでやりきるところがすごいですね。
ちなみに何を作ったんですか?
Dai
出会い系アプリです。
「卒論をもとに出会える出会い系アプリ」をみんなが卒業旅行しているときにリリースしました。
とだ
なんだそれ(笑)
初芝
斬新!
Dai
卒論って100ページも200ページも書くわけじゃないですか。
好きじゃないと書けない。
なら、それだけ自分が好きなことで繋がったら上手くいくんじゃないか?と。
初芝
どうでしたか?
Dai
登録者数は二百人で、一マッチングしました。
自分と新一年生で。
初芝
おお!
Dai
一回会って終わっちゃったんですけどね(笑)

とださんへの相談

初芝
それから卒業、ワークスアプリケーションズで働くことになったわけですよね。
入ってからはどうでしたか?
Dai
品質保証を行っていたのですが、ほとんどテストやテスト設計でした。
コーディングができないことがこの時期の悩みでしたね。
どうしても書きたくって社内ツールを作ったり、クラウドソーシングで案件を受けたりはしてたんですけど。
Dai
それで、Twitterで知り合ったとださんに相談しました。
「プログラマーになりたいんですけど、どうすればいいでしょうか?」って。
初芝
なんとここでとださん登場なんですね!
とださんはそれでどう答えたんですか?
とだ
「プログラマーになりたい」っていうから実際に会って相談を受けて。
僕のところへの相談はめっちゃ来るんですけど、会ったのはDaiさんが初めてでしたね。
初芝
ちなみに、どうしてDaiさんとは会おうと思ったんですか?
女の子じゃないのに。
とだ
実際にモノを作ってたからですね。あと優秀だと感じていたから。
プログラマーになれることはわかっていました。
むしろ、会って「なんで悩んでんの?」って言って(笑)
Dai
「手段は明確なのに、なんで悩んでるの?」って言われたんですよ。
とだ
僕もフリーランスになる時なんとなく不安だったから、後押ししようと。
かつて自分が尊敬するフリーランスの先輩にしてもらったのと同じことをしたんですね。

とださんがフリーランスになったときの話はこちら↓

人生の転機となったアプリ、「〇〇博士」

初芝
それでついにDaiさんがプログラマーへの道を踏み出すんですね!
Dai
はい。
そうなんですが、その前に人生の転機となる出来事がありまして。
あるサービスを作ってみたら、それがとんでもないことになったんです。
とだ
あれですね。
Dai
あれです。
初芝
なんです?
Dai
スケベ博士です。
初芝
!?
Dai
「顔写真をLINEで送ったらそれに似たAV女優を教えてくれる」というチャットボットを作ったんです。
そうしたらそれがめちゃくちゃバズって。
それがきっかけで人生が大きく変わりました。
初芝
急展開すぎてついていけない…。
その話、詳しくお願いします!

一日で一万人以上が登録する大バズに

初芝
スケベ博士が大きな転機となったというのは、いったい何が起きたんでしょう。
Dai
そもそも、会社でWEBAPIと認証系のことをやっていたんですが、それを使ってサービスを作りたいなと考えて。
それでLINEBotを作ろうと。
で、スケベAIを作ろうという発想に至ったんですね。そうしてスケベ博士が生まれて。
Dai
そしたらスケベ博士がTwitterでめちゃくちゃバズったんです。
一日で一万人以上が登録して、五万件以上のリクエストが発生して。
GoogleAppsScriptの許容量が一日五万件なんですが、あっという間に上限超えて動かなくなったりしました。
初芝
一万人に五万リクエスト!?
それはとんでもない数字ですね!!
Dai
これがものすごくバズった上に、その作り方を解説したnoteも大きな反響を呼んだんです。
そうしたらそれをきっかけに5社からリクルーティングが来て。
その時に「あれ、やればできんじゃん」と思いました。

Aidemy石川社長との出会い

初芝
いきなり五社からリクルーティングってすごいですね!
そのどれかに入社したんですか?
Dai
いえ。
そのときに、Aidemy石川さん(@ai_aidemy「スケベ君に会員数抜かれた!」というツイートを見たんですよ
で、石川さんのプロフィールとか見てみたら教育×ITって書いてあるから興味が出てきて。

Dai
たしかに、アダルトはいいコンテンツなんですよ。
人口ボリュームを縦軸に、熱狂度を右軸に取った時、一番右上にあるのがアダルトですからね。
ニッチ向けのコンテンツの場合、熱狂度は高いけどボリュームが低い、マス向けコンテンツだと熱狂度は低いけどボリュームが高い。
エロや恋愛は人間の本能を刺激するから、熱狂度もボリュームも高い珍しいジャンルなんです。
とだ
あと、企業は参入できないですしね。
初芝
ゲスエンジニア、戦略家だった。

「誰に何をどのように届けるのかを決めること」。これがマーケティング

初芝
先ほど「営業しないでも仕事が来る状態を作る」と仰っていましたよね。
これはどのように実現できるのでしょうか?
Dai
仕事の発注主が仕事を任している姿をイメージできるようにする情報を発信することですね。
マーケティングだったらゴールの設定や個別の施策とか。
それを仕事が欲しい業界から逆算してターゲティングして発信するんです。
だから僕も今、マーケ寄りのネタを発信していてマス受けは狙ってないです。

初芝
最近流行っている「フォロワーを~人以上ゲットした方法!」「わかりやすい情報・励ます情報を発信しろ!」というのとは真逆ですね。
Dai
フォロワー数をKPIにしても、仕事に繋がらないんですよ。
それよりは経営者層をターゲットに濃い情報を発信した方がいい。
一人が100いいねしたいと思えるコンテンツを発信するイメージです。
Dai
マス受けしたいなら、誰にでもわかる情報を発信すればいいです。
さきほどの話で言えば、マス向けのコンテンツ発信です。
大衆向けなので、なるべく簡単に、かつみんながそこそこ興味を持つことを発信するのが重要ですね。
Dai
逆に、経営者や同業マーケターに発信するなら、一部の人がめちゃくちゃ首を縦に振るような熱狂度の高いニッチ向けコンテンツを届ける。
「誰に何をどのように届けるのかを決めること」、これがマーケティングだと思っています。

Daiさんが今後目指すもの

初芝
最後に、Daiさんが今目指している方向性についてお聞かせください。
Dai
サービスをすべていい感じにできる人になりたいです。
今は「届ける」ことに特化しているんですけど。
サービスのコンセプトを考えて作ったり、届けた後のカスタマーサービスについてもやれるようになりたいです。
Dai
マーケティングはやることが決まっているんですよ。
誰に届けるのか考えて、競合性考えたりと。
SEOもSNSも同じだし、やったことはありませんがYouTubeも考え方は同じだと思います。
それ以上に、届けなくても勝手にくるシステム作ったり、届けた後を良くしたいなと。
初芝
マーケティングだけでなく、その前後もですね。
これからどんどん活躍する領域を広げていくのが楽しみです!
とだ
ちなみにスケベ博士の続編は作らないんですか?
Dai
予定はないです(笑)
Dai
でも、女性向けのアダルトサイトは穴場な気がしますね。
そのジャンルって、クエリ(検索キーワード)を探るのが難しいんですよ。
悩んだ時にどんなキーワードで検索するのかが明らかになっていないそうです。
熱量もボリュームもあるのに、課題も解決されていないジャンルなんです。
とだ
作ろうっと(笑)
初芝
(とださんがいるとちゃんとオチ担当してくれるなぁ)

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・DaiさんのTwitterはこちら⇒@never_be_a_pm 
・ゲスエンジニアとださんのTwitterはこちら⇒@cohki0305 
・編集長初芝賢のTwitterはこちら⇒@hatushiba_ken

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