「最近、バナー制作やコーディングの仕事が減ってきた」「動画編集の単価が下がってきた」——そんな変化を肌で感じているデスクワーカーの方は多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、この変化は気のせいではなく構造的なもので、これから本格化していきます。AI時代の生き残り方として大切なのは、AIに仕事を奪われる前に「どの道で戦うか」を早めに決めることです。
この記事では、AI時代を生き残るための3つの選択肢と、自分に合った道の見つけ方を具体的に解説します。書いているのは、動画で解説しているデイトラ代表の翔平です。オンラインスクール運営とラーメン事業の両方を手がける立場から、現場のリアルな実感を交えてお伝えします。
AI時代に仕事が減り始めている——バナー制作・コーディング・動画編集の現実

まず押さえておきたいのは、仕事が減るという変化はすでに始まっているということです。
最近、バナー制作やコーディングの仕事が減っているという声をよく聞くようになりました。SNSのポストでも同じような話を見かけます。
動画編集はどうかというと、仕事が目に見えて減るところまではまだいっていませんが、単価が下がってきているという実態があります。
こうした環境の変化は、決して気のせいではありません。
むしろこれはまだ入り口で、これから本格化し、さらに加速していくと考えています。
だからこそ、早い段階で「仕事が減る」という前提に立って、自分はどうすべきかを考えておく必要があります。
世界のテック企業で起きている大規模リストラは「構造的変化」

いま世界で何が起きているかというと、「ここに就職できれば将来安泰」と言われてきた超テック企業で、大規模なリストラが起きています。
具体的な数字を見てみましょう。
- Meta:約2万1000人のリストラ
- Amazon:約1万4000人のリストラ
- Google・Microsoft:何万人まではいかないものの、数千人規模のリストラ
ここで重要なのは、これは事務職の話ではないという点です。
「これになれば安泰」と言われてきたエンジニアやデザイナーがリストラされているのです。
Googleのエンジニアになれば安泰、と多くの人が思っていました。しかし現実として、その前提が崩れ始めています。
そしてこれは、景気が悪いから一時的にリストラが増えている、という話ではありません。
仕事のやり方そのものが変わってしまった構造的な変化です。一度変わったら、もう元には戻りません。
なぜAIに仕事が奪われるのか——AIツールが変えた仕事のやり方

では、具体的に何が起こっているのでしょうか。
Claude・Gemini・CursorといったAIツールの進化によって、今までジュニアレベルの人が何日もかけていた作業を、トップレベルの人1人が数時間でこなせるようになりました。1人が10人分の力を出せてしまう状況です。
そうなると会社側からすれば、トップ層だけがいてくれればよく、わざわざ新人のエンジニアを何人も抱える必要がなくなります。
新人を育てることが合理的ではなくなった——だからリストラが起きているのです。
そして、アメリカで起きたことは、数年後に必ず日本にもやってくると言われています。歴史的にもそうでした。これは海外だけの話ではなく、日本でもすでに起き始めていることです。
さらにこれは大企業だけの話でもありません。フリーランスや副業ワーカーも同じです。
むしろ、そういった人に流れていた単純作業こそ、真っ先にAIに置き換えられています。
- バナー制作
- テンプレート的なコーディング
- パターン化されたデザイン
- 誰にでも書けるライティング
こうした「AIでも大体できる仕事」をしている人から、どんどん仕事が減っているのが現状です。実際、この先自分はやっていけるのかという不安から、キャリアカウンセリングの件数もかなり増えているそうです。
選択肢1:AIに負けないスペシャリストになる

ここからは、AIに仕事を奪われる前にやるべき3つの選択肢を紹介します。まず1つ目です。
1つ目の選択肢は、AIに負けないスペシャリストになるという道です。1つの領域を突き詰める、王道に聞こえる戦略です。
ただし、王道に聞こえる一方で、多くの人にとってベストな道とは言えないと考えています。
これはトップ10%だけが生き残れる世界で、その10%に入りましょうという戦略だからです。
AIの進化のスピードを思い出してください。ChatGPTが出てきたのは3年ほど前です。当時はウィル・スミスがパスタを食べる、ぐちゃぐちゃの動画を見て「まだまだだな」と笑っていました。それが数年でここまで進化するとは、誰も思っていませんでした。
AIに負けないスペシャリストでいるということは、この進化の速度に合わせて、さらにその上を行き続けるということです。
- AIを使いこなす知識が必要
- 自分自身の実力も必要
- デザイン歴10年、エンジニア歴20年といったプロたちとしのぎを削る必要がある
特に、これから勉強を始める人や学習中の人が、この土俵に参入するのは相当厳しいのが正直なところです。
絶対に無理とは言いませんが、これから目指すならそれなりの覚悟と熱量が必要だということは覚えておいてほしい選択肢です。
選択肢2:AIを武器に自分のビジネスを持つ(オフライン×オンライン)

2つ目の選択肢は、個人的に一番ワクワクする道です。それは自分でビジネスを持つという選択肢です。
そして、これは今デスクワークをしている人にとってこそ大きなチャンスがあります。すでにITリテラシーというベースを持っているからです。
今までは外注、今は8割まで自分でできる
たとえばカフェを開くとします。店を開くだけでなく、ホームページを作ったり、SNSを運用したり、開業のために税務の届け出をしたりと、やることはたくさんあります。
今までなら、サイト制作はWebデザイナーに、マーケティングはコンサルに、税務は税理士に……といろいろなところに外注しなければなりませんでした。
しかし今は違います。最終的に専門家の力を借りる必要はあっても、ゴールにかなり近いところ、8割ぐらいまでは自分1人でAIを使って進められるようになりました。
一点特化ではなく「5角形の総合力」で戦う
選択肢1が1つのパラメーターが飛び抜けた一点特化型だとすれば、この選択肢2は5角形をバランスよく広げる総合力で戦うパターンです。
幅広く知識を持っておく必要はありますが、一点特化で消耗するより戦いやすいと考えています。
AIを使って個人や少人数のチームで働く形は、世界的にもどんどん増えています。
- Midjourney(画像生成AI):世界で何千万人ものユーザーがいるのに、社員は40人ほど
- WhatsApp(世界版LINEのようなサービス):Metaに買収されたとき、社員55人ほどで4.5億人のユーザーを抱えていた
これからの時代は、AIを使って1人、あるいは志を同じくする少人数のチームで起業していく流れが増えていきます。
おすすめは「オフライン×オンライン」のビジネス
ただし、オンラインだけで戦うと、先ほど話したAIの変化がめちゃくちゃ早い荒波の中で戦い続けることになります。Midjourneyのようにトップ人材が集まっているなら良いかもしれませんが、一般の人にはしんどい戦い方です。
そこで一番おすすめしたいのが、オフライン×オンラインのビジネスを立ち上げることです。
実際に、デイトラというオンラインスクールを運営する一方で、ラーメンブランドも展開しています。まだできて2年ほどですが、すでに6店舗を出し、7店舗目の出店も決まっています。ラーメン店としては異例のスピードで拡大しています。
なぜこれができているかというと、ラーメンというオフラインのビジネスに、オンライン(デジタル)を掛け合わせているからです。デスクワーカーとしてやってきた強みをうまく活かした形です。
- 売上報告は最初からずっとSlackで毎日運用
- マニュアルはすべてNotionでデジタル管理
- Slack上にAIエージェント「煮干星丸」を配置
このAIエージェントには、ブランドのエゴサーチや、各店舗レポートの数値化を任せています。今週の特性メニューの反応が良かったか悪かったか、時間帯別の売上分析などを自動でやってもらっています。
以前なら専門のアナリストを雇わないとできなかったようなことを、AIを使えばほぼフルオートでできています。データを見て改善するという流れです。
オフラインの商売に、オンラインの効率化を掛け合わせる。これが、AI時代のスモールビジネスの形だと考えています。
選択肢3:身体性・コミュニケーションを伴う領域で専門性を磨く

3つ目の選択肢は、身体性を伴う、もしくはコミュニケーションを伴う領域で専門性を磨き抜くという方向性です。
選択肢1がオンラインのスペシャリストだとすれば、選択肢3はオフラインのスペシャリストです。デスクワークから完全に方向転換する道です。
これは、人の手でしか届けられない価値、人と人とが向き合う場でしか生まれない価値に特化する道です。具体的には次のような仕事が挙げられます。
- 旅館の女将やホテルのコンシェルジュのような、ホスピタリティが核になる仕事
- 目の前の相手の心を動かし「契約したい」と思ってもらう営業のような仕事
- 介護士・料理人・整体師・保育士のような、身体性とコミュニケーションを伴う仕事
こうした人の手と心が直接関わる仕事は、そもそもAIが参入しにくく、どれだけAIが賢くなっても取って代わられづらい領域です。
つまり、必ずしもデスクワークにこだわらなくてもいい、ということです。
これまではプログラミングやデザインが稼げると言われていたので、そちらを目指していた人もいると思います。しかし「本当は人と関わる仕事の方が好きなのに」と感じていた人にとって、これからはその「人と関われる」という特性が一番の武器になる時代です。AIが発展するほど、人と関わる価値は相対的に高まります。
3つの選択肢のまとめ——自分のタイプで選ぶ

ここまでの3つの選択肢を、どんなタイプの人に向いているかで整理します。
| 選択肢 | 内容 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 選択肢1 | デジタル領域で1つのことを極めるスペシャリスト | 1つのことを極めるのが好きな人 |
| 選択肢2 | 自分の看板を掲げて事業を回す(オフライン×オンライン) | 小さくても自分の事業を持ちたい人 |
| 選択肢3 | 人と直接向き合い、体を動かして価値を届ける | 人と関わる・体を動かすのが好きな人 |
大事なのは、人それぞれのタイプによって向いている道が変わるということです。
「絶対にこれがいい」と一つに決めつけるものではありません。自分のタイプに合った道を選ぶのが出発点になります。
道を選ぶ基準は「稼げるから」ではなく「やりたいから」

どの道を選ぶにしても、1つだけ従ってほしい大事な基準があります。
それは、「稼げるから」ではなく「やりたいから」で選ぶことです。
お金になるから、将来性があるから——そういう理由でこの業界に入ってきた人たちが、今まさに大変な目に遭おうとしています。
たとえば「最近は電気工事士が稼げるらしい」と聞いて電気工事士になっても、オンラインから人が流れてきて仕事が溢れれば、給料は下がります。真剣にその仕事に打ち込んでいる人には勝てません。
AI時代は、1人でいろいろな仕事をこなせるようになり、1人が出せるパフォーマンスの上限が上がりました。では、その最終的なパフォーマンスを左右するのは何か。
それは、AIを使う人間の「熱量」です。その業界が好き、これを本当にやりたいと思っている人が勝ちます。
熱量があれば、AIの使い方も学びますし、マーケもデザインもサイト制作も「自分でやってみよう」と頑張れます。その熱量があるかどうかが、最後の分かれ目です。
ビジネスがうまく回る本当の理由は「熱量」

ラーメン事業がうまく回っている理由として、テクノロジーの活用があるのは事実です。しかし、テクノロジーは1番の理由ではありません。
1番の理由は、「煮干ラーメンといえば煮干」と言われるブランドを作ろうという思いに、同じ志を持つメンバーが集まってくれていることです。もうこれに尽きます。
どんなに忙しくても店舗には必ず足を運びますし、ブランドへの愛は自分自身が一番強く持っています。
AIを使えば口コミの分析はできます。しかし、お客さんの目を見て「ありがとう」と伝えることは、人間にしかできません。
AIは味を改善するヒントはくれるかもしれませんが、「この一杯をより高みに持っていこう、もっと美味しくしよう」という執念は、人間からしか生まれません。
やっぱり最後を分かつのは熱量です。だからこそ、これからの時代、特にデスクワーカーに求められる最も大切な能力は「自分が何をやりたいのかを知ること」だと考えています。
やりたいことを見つけるためにやるべき3つの宿題

とはいえ、「自分が何をやりたいのか分からない」という人も多いはずです。
そこで、やりたいことを見つけるために意識してやってみてほしい3つの宿題を紹介します。
宿題1:子供の頃に夢中だったことを書き出す
ゲームでも虫取りでも料理でも絵を描くことでも、何でも構いません。一旦それがお金になるかどうかは忘れて、子供の頃に夢中だったことを書き出してみてください。
書き出したら、その共通点をAIに壁打ちしてみましょう。楽しかったことから、自分が楽しいと感じる価値観の共通点をAIが見つけ出してくれます。「自分はこれを大事にしていたんだ」という発見につながります。
宿題2:AIを触る
これからはオフライン×オンラインにしろ何にしろ、AIを使っていくことが大事になります。
ChatGPTでもClaudeでも何でも構いません。触ったことがない人は、とりあえずまず触ってみる。そして宿題1で書き出したことをまとめて聞いてみる。これが第一ステップです。
少しずつでもいいので、AIを日々使い始めていきましょう。
宿題3:週末だけの「1人社長ごっこ」をしてみる
好きなことをテーマに商品を考えてみます。宿題1・2でAIと壁打ちして見つけた「こういう仕事がしたい」という方向性をもとに、「これを実現できる商品を作りたいけど、どうしたらいいか」をAIと相談しながら考えてみるのです。
別にお金にならなくても構いません。「こういう商品を作ろうと思っている」「こういうアイデアが生まれた」とXで発信するだけでもいいのです。
そこから「それ面白いじゃん」「欲しい」という声が生まれるかもしれません。商品開発やサービス開発をして、それを周りに話してみる。そうやって少しずつ先が繋がっていきます。
実際、代表自身も新しい事業アイデアを常にAIと壁打ちしながら考えています。この「1人社長ごっこ」を日々やっているような状態です。
1. 子供の頃に夢中だったことを書き出し、AIで共通点(価値観)を見つける
2. ChatGPTやClaudeなどのAIを実際に触ってみる
3. 週末だけ「1人社長ごっこ」をして、好きなことから商品・サービスを考えXで発信してみる
いきなり辞めなくていい——週末の余白から始めよう

選択肢1〜3や構造的リストラの話を聞いて、「自分はこの先やっていけるのか」と不安になった人もいるかもしれません。しかし、いきなり今の仕事を辞めたり、大きな環境の変更をしたりする必要はありません。
週末や余白の時間で少しずつ試しながら、自分のワクワクがどこにあるのか、その方向性をまず知ることが大切です。そのための3つの宿題です。
これからの時代は、自分が本当にやりたいことを見つけて、AIを掛け合わせて形にしていく。それがAI時代に最もワクワクする生き方だと考えています。
見方を変えれば、自分がやりたくなかったことはAIがやってくれるということです。人間は、お客さんと向き合うことや、自分が届けたい価値に集中できる環境ができた——これはめちゃくちゃ良いことであり、大きなチャンスでもあります。
AI時代の生き残り方に関するよくある質問
Q. AIに仕事を奪われる前に、まず何をすればいいですか?
いきなり仕事を辞める必要はありません。まずは「子供の頃に夢中だったことの書き出し」「AIを触ってみる」「週末の1人社長ごっこ」という3つの宿題から始め、自分のワクワクの方向性を知ることが第一歩です。
Q. AIに負けないスペシャリストを目指すのは現実的ですか?
不可能ではありませんが、トップ10%だけが生き残る世界で、進化の速いAIの上を行き続ける必要があります。デザイン歴10年・エンジニア歴20年といったプロと競うため、これから学習を始める人には相当な覚悟と熱量が求められます。
Q. 自分でビジネスを持つのはハードルが高くないですか?
すでにデスクワークでITリテラシーがある人ほどチャンスがあります。以前は外注が必要だったサイト制作・マーケ・税務なども、今はAIを使って8割ほどまで自分で進められます。特にオフラインの商売にオンラインの効率化を掛け合わせる形がおすすめです。
Q. どの道を選ぶか迷ったときの基準は?
「稼げるから」ではなく「やりたいから」で選ぶことです。AI時代に最終的なパフォーマンスを左右するのは、その仕事や業界が好きだという人間の熱量だからです。
Q. AIが発展すると、人と関わる仕事はどうなりますか?
むしろ価値が高まります。旅館の女将・営業・介護士・料理人など、身体性やコミュニケーションを伴う仕事は、AIがどれだけ賢くなっても取って代わられづらい領域です。
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本記事で解説したように、AI時代の生き残り方の鍵は「自分でビジネスを持ち、AIを掛け合わせて形にする」ことにあります。独学でも基礎は押さえられますが、実務で通用するレベルまで体系的に習得するには、現役で活躍するプロから添削を受けながら学べる環境が近道です。
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翔平(デイトラ代表 / @showheyohtaki)
オンラインスクール「デイトラ」を運営するかたわら、自社ラーメンブランドを2年で6店舗まで展開。デスクワーカーとしての強みを活かし、Slack・Notion・AIエージェントを使ったオフライン×オンラインのスモールビジネスを実践しています。