フリーランスエンジニアは年収1000万も可能?その相場や手取りを解説

稼げると聞いてエンジニアになったのに、安月給だし収入が中々伸びなくて悩んでる…。

せっかくITエンジニアになったのに「収入が伸びない」と思い悩んでいる方も多いでしょう。

しかし、そんな方は「フリーランスエンジニア」という働き方に目を向けてみてはいかがでしょうか?

なぜなら、フリーランスエンジニアになると年収が飛躍的にアップするからです。

今や、20代や30代で年収1,000万円を稼ぐようなフリーランスエンジニアもいます。

そこで当記事では、

  • フリーランスエンジニアの年収の水準
  • フリーランスエンジニアの年収が高い理由
  • フリーランスエンジニアとして年収を上げる方法

について紹介していきます。

当記事を最後まで読めば、なぜフリーランスエンジニアになると年収が上がるのかを理解できます。

これから年収を『更に上げたい』と考えているエンジニアやプログラマーの方は、是非参考にしてみてください。

なお、当記事は東京フリーランスの運営メンバーであり、フリーランスエンジニアとしても活躍しているとだこうき(@cohki0305)が監修しています。

とだ
とだこうき(@cohki0305
営業から転職し、6ヶ月でリードエンジニアになったフルスタックエンジニア。
その後半年でフリーランスとして独立し、ブロックチェーン・機械学習の案件に携わる。現在はフリーランスエンジニアの経験を活かして、ブログやYouTubeにて情報発信をしている。

フリーランスエンジニアの平均年収ってどのくらい?

早速ですが、フリーランスエンジニアの平均年収について見ていきましょう。

まずは、こちらのグラフをご覧ください。

出典:IT人材白書2016

上記のグラフは「独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)」によって調査された、フリーランスエンジニアと会社員エンジニアの年代別の平均年収です。

以下より、このデータを基にしてフリーランスと会社員の年収の違いを比較していきます。

フリーランスエンジニアは30代以下でも高収入の割合が大きい

まず、フリーランスエンジニアにおける年代別の年収分布を表に示すと以下の通りです。

年収 30代以下 40代 50代
300万円未満 35.3% 32.6% 31.2%
300万円以上
〜500万円未満
27.9% 31.8% 29.8%
500万円以上
〜700万円未満
19.1% 15.5% 19.7%
700万円以上
〜1,000万円未満
8.8% 14.0% 17.0%
1,000万円以上 8.8% 6.2% 2.3%

IT人材白書2016を参考に筆者作成

ご覧のように、フリーランスエンジニアは30代以下にして年収500万円以上を稼ぎ出す人が全体の約37%、そして年収1,000万円以上を稼ぐ人が約9%もいます。

つまり、30代以下のフリーランスエンジニアはおよそ10人に1人が年収1,000万円プレイヤーなんです。

そして、この表を見ると、年収1,000万円以上を稼ぐ割合が最も多い年代が「30代以下」という、普通の業界では考えられない異様な構造になっていることも分かりますよね。

このように、フリーランスエンジニアは若い世代ほど高収入の割合が高くなっているのです。

会社員エンジニアは年齢が上がるに連れて収入が増えていく

次に、IT企業に勤める会社員エンジニアの、年代別の年収分布を見ていきましょう。

年収 30代以下 40代 50代
300万円未満 21.9% 5.0% 4.1%
300万円以上
〜500万円未満
50.1% 29.6% 19.3%
500万円以上
〜700万円未満
21.3% 35.7% 32.4%
700万円以上
〜1,000万円未満
5.5% 24.7% 32.4%
1,000万円以上 1.2% 5.0% 11.9%

IT人材白書2016を参考に筆者作成

上記のように、IT企業に勤める会社員エンジニアの場合、30代以下の約70%以下が年収500万円未満となっており、年収1,000万円以上を稼ぐ人がたったの1.2%しか存在しません。

つまり、30代以下の会社員エンジニアで年収1,000万円プレイヤーとなれるのは、およそ100人に1人です。

ですが、会社員エンジニアはフリーランスエンジニアと異なり、年齢を重ねるごとに年収500万円未満の人の割合が減少し、年収700万円以上の人の割合が増加しています。

若い内に年収1,000万円を稼ぐならフリーランスエンジニアの一択

30代以下のフリーランスエンジニアと会社員エンジニアの年収を比較すると、年収700万以上を稼いでいる割合は圧倒的にフリーランスエンジニアの方が高くなっていることが分ります。

年収(30代以下) フリーランスエンジニア 会社員エンジニア
300万円未満 35.3% 21.9%
300万円以上
〜500万円未満
27.9% 50.1%
500万円以上
〜700万円未満
19.1% 21.3%
700万円以上
〜1,000万円未満
8.8% 5.5%
1,000万円以上 8.8% 1.2%

IT人材白書2016を参考に筆者作成

フリーランスエンジニアに対して会社員エンジニアは年収300万円〜500万円未満の割合が多いので、至って「平均的」だと言わざるを得ません。

一方、レバテックフリーランスのようなフリーランス専門のエージェントを見ると、同サービスに登録しているフリーランスの平均年収が862万円であると明かされています。

出典:レバテックフリーランス

このように、フリーランスエンジニアは会社員エンジニアと比較して、30代以下という若さでも十分に年収700万円以上、そして年収1,000万円以上をも獲得できる可能性があるのです。

  • フリーランスエンジニアは30代以下でも年収1,000万円を稼ぐ人がたくさんいる
  • 会社員エンジニアと比べて比較的早い段階で高収入の獲得を実現できる

フリーランスエンジニアはなぜ年収が高いのか

では、なぜフリーランスエンジニアはこれほどまでに年収が高いのでしょうか?

その大きな理由として以下の2点が考えられます。

  1. フリーランスエンジニアの報酬は実力次第
  2. エンジニア業界における人材は不足している

フリーランスエンジニアは実力次第で収入を伸ばせる

フリーランスエンジニアの報酬は、ほぼ全てが自分の市場価値によって決まります。

会社員の場合だと、給与テーブルに沿った年功序列的な報酬体系を採用する会社も多く、最初の段階ではスキルの有無に問わず、給与水準が他の社員とほぼ同一なケースも多いでしょう。

しかし、フリーランスの場合だと、高い開発能力を持つような『市場価値の高い人材』であれば、年齢に関係なく市場価値に応じた高額な報酬が支払われるようになります。

なので、実績があってスキルも高いようなエンジニアであれば、フリーランスとして独立することで、今よりも高い報酬を受け取れる可能性が上がるのです。

そもそもエンジニアやプログラマーは不足している

そして、エンジニアやプログラマーのようなIT人材は現在大量に不足しています。

あなたはこの事実をご存知だったでしょうか?

「エンジニアは既に飽和しているんじゃないの?」と勘違いしている方も多くいますが、プログラマーやエンジニアなどのIT人材、実は今後もずっと不足していくと言われているんです。

その根拠として、2016年に経済産業省が発表した以下の資料を用意しました。

出典:IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果 |経済産業省

『IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果』によると、IT人材の供給量は2019年をピークに減少し、IT人材の入職率が退職率を下回っていくとされています。

2019年時点で約92万人程いるIT人材ですが、2030年には85万人に減少するという予測結果も。

しかし、そんな中でも各企業からのIT人材に対する需要は高まり続けるとされています。

その結果、IT人材の不足規模は2030年までに約59万人となり、人材不足は今後ますます深刻化していくとされているのです。

出典:IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果 |経済産業省

実際に、情報処理推進機構が公表した「IT人材白書2019」概要の中でも、IT人材の”量”と”質”に関する過不足感調査がIT企業に対して実施されましたが、2018年度の調査結果では、いずれも「大量に不足している」といった回答が増加していました。

参照:「IT人材白書2019」概要

このように、IT業界ではエンジニアに対する需要が増え続けているのに対し、肝心な供給者が減り続けているという奇妙な構造となっているのです。

このような業界の構造の歪みもあり、スキルの高いフリーランスエンジニアほど市場価値が高まり、高額な年収が獲得しやすくなっているのです。

  • エンジニアのようなIT人材は全体的に不足している
  • フリーランスエンジニアは自分の市場価値で報酬が決まる

フリーランスエンジニアの手取りは?

フリーランスが高収入であることは説明した通りですが、はたしてその『手取り』はいくら程度になるのでしょうか?

手取り金額がいくらになるのかは個々の住所や家族構成、経費の額によってバラつきがありますが、以下より具体例を交えて手取りの計算方法を紹介していきます。

年収700万円を稼ぐフリーランスエンジニアのケーススタディー

では、年収700万円を稼ぐ『Aさん』というフリーランスエンジニアを想定し、手取り金額を確認していきましょう。

  • Aさん
  • 28歳の独身
  • 住所:東京都渋谷区
  • 年収:700万円(2018年1月1〜12月31日)
  • 経費(年間):150万円
  • 確定申告の種類:青色申告

結論、このAさんを基におおよその手取り金額を計算すると、経費も差引きすればおおよそ400〜450万円くらいとなります。

手取り金額は個々の状況によって異なるので、あくまでも目安として参考にしてください。

なお、年収から差し引かれるのは以下のような税金や保険料です。

  • 所得税
  • 住民税
  • 国民健康保険料
  • 国民年金保険料
  • 個人事業税
  • 消費税

国民年金保険料

国民年金保険料は、平成30年度であれば加入者一人当たり16,340円でしたので、年間で196,080円が掛かります。

国民健康保険料

国民健康保険料は、自身の「前年度の所得」や「住んでいる地域」によって支払う料金が変わります。

仮にAさんが前年度も年収700万円を稼ぎ、28歳の独身で東京都渋谷区に住んでいると仮定すれば、国民健康保険料は年間でおよそ29.3万円となります。

国民健康保険計算機より算出

なお、ここでは細かい保険料の計算方法については割愛します。詳しくは、お住いの市区町村で公表されているものをご確認ください。

所得税・住民税

以上を踏まえた上でAさんの所得税を確認しましょう。

まずは所得税を算出する為に用いる「課税所得金額」を計算します。

課税所得金額

=総収入-経費-青色申告特別控除-基礎控除-社会保険料控除(国民健康保険料や国民年金保険料)

※確定申告を「青色申告」で行う場合は「青色申告特別控除」として最高65万円を収入から差し引きできる。

 

■Aさんの場合

700万円-150万円-65万円-38万円-(19.6万円+29.3万円)

=398万円

上記で算出した所得金額に、以下の所得税率をかけて所得税を計算します。

出典:国税庁

■Aさんの所得税・住民税

<所得税>

398万円×20%-42.75万円

=36.85万円

 

<住民税>

398万円×10%

=39.8万円

なお、住民税は上記で算出した課税所得金額に10%を掛けた金額なので、Aさんの場合は『398万円×10%=39.8万円』の住民税となります。

個人事業税

フリーランスエンジニアは会社員ではなく「個人事業主」に分類されるので、所得税とは別に「個人事業税」を支払う必要があります。

エンジニアの場合だと税率は5%となりますが、個人事業税の計算方法はざっと以下の通りです。

個人事業税

=(収入-経費-290万円(事業主控除)-各種控除)×税率

※青色申告特別控除は適用対象外

■Aさんの場合

(700万円-150万円-290万円)×5%

=18万円

ただし、請負契約ではなく「企業常駐型」のような準委任契約であれば、個人事業税がかからないというケースも多いようなので、自分がどういった契約内容で仕事をしているのかを確認しておいてください。

消費税

フリーランスは消費税を納めなければなりませんが、年間の売上高が1,000万円未満、または開業から2年間は消費税が免税となります。

よって、Aさんの場合は消費税の免税対象となり、0円です。

Aさんの手取りのまとめ

年収700万円のAさんの手取りは、大まかに以下の通りとなりました。

手取り金額

=年収-社会保険料-税金-経費

=700万円-(19.6万+29.3万円)-(36.85万円+39.8万円+18万円)-150万円

=406.4万円

この計算はかなり大まかであり、経費の大小によって手取り金額は大きく変化するので、厳密にフリーランスエンジニアの手取り金額を算出していくのは困難です。

なので、あくまでも目安の手取り金額として参考にしておいてください。

エージェントへの仲介手数料によって自分の手取りも変わるので注意

もう一点、自分の手取りを考えていく上で注意するべきなのが、エージェント経由で案件を獲得した際の「仲介手数料」です。

エージェントによっては、80万円〜100万円/月のような高単価な案件が提示されていることもありますが、その額面金額から毎月10〜35%が仲介手数料として抜かれます。

例えば、100万円/月の案件を獲得したとしても、仲介手数料が30%であればあなたの手取りの報酬は70万円となってしまいますからね。

なので、エージェントの提示している案件の単価を、必ずしも自分がまるごと貰えるわけではない点に十分注意しておきましょう。

このように、エージェントを経由すると仲介手数料が取られてしまう点がデメリットとなり得ますが、Midworksのようなエージェントだと「給与保障制度」というシステムが付いています。

Midworksでは、万が一お仕事が途切れてしまった際のための給与保証制度がございます。給与保証制度を適用している方は、お仕事が万が一見つからなかった際にも月額契約単価の80%を日割りで受け取ることができます。次のお仕事が決まらない、収入が途切れてしまうことが不安なフリーランスの方も、当制度のもとで安心して就業先を探すことが可能です。

引用:Midworks

Midworksでは、仕事が途切れて収入が途絶えるようなリスクも回避できるので、フリーランスでも収入の安定性を確保するハードルがどんどんと低くなってきています。

フリーランスエンジニアは収入から引かれる税金や保険料、エージェントへの仲介手数料も考慮しておく必要がある。

フリーランスエンジニアとして給料を上げるには?

例えフリーランスエンジニアになれたとしても、その後継続的に収入を伸ばしていけるか不安…。

このような不安を持っている方も多いでしょう。これはどの世界でも同じことが言えるでしょうが、当然フリーランスにただなるだけで稼げるようにはなれません。

そこで、フリーランスエンジニアが収入をアップさせる為に必要なことをまとめました。

  1. 自分のスキルを掛け算していく
  2. 地方ではなく東京で仕事を獲得していく
  3. プロジェクトマネージャーのような上流工程を目指す

順番に解説していきます。

スキルの掛け算をしていく

フリーランスエンジニアが年収を上げていく為の一つとして、「様々なスキルを組み合わせていく」という方法があります。

仮に、あなたがサーバーサイドをやっていたとすれば、次はフロントやインフラに着手していくのも良いでしょう。

それらは互いに親和性の高い技術なので、現場でも相乗効果を発揮しやすいと言えます。

反対に、今の仕事とあまり関係の無いようなスキルを磨いても、短期的には成果になりにくいです。

なので、スキルセットとして強い組み合わせになる技術同士の習得を意識していきましょう。

地方よりも東京で仕事をする

フリーランスエンジニアが案件の単価を上げて年収をアップさせるなら、地方よりも断然東京の方が有利でしょう。

例えば、レバテックフリーランスのようなフリーランス専門のエージェントを見ても、高単価な案件の数は地方よりも東京の方が圧倒的に多くなっています。

それに、東京は案件の単価の高さだけではなく求人の多さも段違いであり、IT技術のレベルも頭一つ抜けています。

なので、東京に行けば、地方よりも高単価な案件が獲得できる上に、たくさんの求人に出会える可能性も一段と高まります。

プロジェクトマネージャーのような上流工程を目指す

フリーランスのエンジニアやプログラマーは、自身の作業を時給換算すればとても高額になります。ですが、その収入は青天井に伸び続けるわけではありません。

なぜなら、自分でコードを書いていく必要がある以上、その労働時間には限界があるからです。

そこで、エンジニアが収入を更に引き上げる為に必要なのが『上流の工程』に行くことです。

その例として、まず考えられるのがPM(プロジェクトマネージャー)でしょう。

お金は上流から下流に流れるので、その仕組み上、上流の工程に身を置くだけで自分の労働時間が減り、反対に収入が上がっていきます。

これは人によって向き不向きがあると思いますが、自分でコードを書いてお金を稼ぐ場合、どこかで労働時間と収入の限界ラインが見えてくるはずです。

なので、年収1,000万円よりもっと上を目指して行きたいのであれば、自分がコードを書く側から、マネジメント側へとポジションをシフトしていくべきでしょう。

フリーランスエンジニアが収入をあげる為に必要なこと

  1. 自分のスキルを掛け算していく
  2. 東京で仕事を獲得していく
  3. プロジェクトマネージャーのような上流工程を目指す

まとめ:フリーランスエンジニアはライフスタイルも魅力的

フリーランスエンジニアの年収まとめ

  • 30代以下でも比較的年収の水準が高く、実力次第で高収入を獲得できる
  • そもそもIT業界が深刻な人手不足を抱えている
  • 都心に拠点を置き、自分のスキルを複数組み合わせることで更なる年収アップに繋がる

魅力的なのは高い年収だけではありません。

フリーランスエンジニアになれば、『週3勤務』や『リモートワーク』など仕事のスタイルに選択肢が増える場合が多いです。

なので、「フリーランスエンジニア」という働き方が、自分の理想のライフスタイルを実現させる手段となり得るかもしれません。

そんな魅力的なフリーランスエンジニアを、あなたも目指してみてはいかがでしょうか。

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