フリーランスの経験は実務経験になる?Web制作4年目からエンジニアに転職したこのはるさんに聞いた

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「Web制作の仕事は楽しい。でも、このままでいいのかな」
「フリーランスの経験って、会社に入るときに評価してもらえるの?」

Web制作を学んで働き始めた人ほど、一度はこんな迷いを抱えるのではないでしょうか。

この記事では、フリーランスのWeb制作者として約4年働き、開発未経験からエンジニアへの転職を決めたデイトラ受講生・このはるさんに、その経緯を聞いた対談をまとめました。
迷っていた時間、背中を押したもの、面接でつまずいたことと立て直し方まで、ノウハウ集ではなくひとりの転職の物語としてお届けします。

本記事は、デイトラストーリーズで配信した受講生対談ライブ(10月15日)の編集版をもとに構成しています。

本記事の内容

・Web制作フリーランスが「このままでいいのか」と迷い始めたきっかけ
・2年間動けなかった理由と、動けた理由
・求人から逆算した自主制作と、面接の立て直し方
・フリーランスの経験は「実務経験」として評価されるのか

フリーランスのWeb制作者として約4年|このはるさんとWeb制作の出会い

このはるさんは、フリーランスのWeb制作者として3年10ヶ月ほど働いてきました。
そして12月からは、正社員として開発の仕事に就く予定です。

プログラミングに興味を持ったきっかけは、意外なところにありました。
好きなゲームのデータをExcelで管理して遊んでいるうちに、自分であれこれ手を動かして「動く仕組み」を作るのがすごく楽しいと感じたのだそうです。

「こういう仕事がしたい」と周りに話していたところ、高校時代の担任の先生から「親族にデイトラで学んで、今その仕事をしている人がいるよ」と教えてもらいます。
身近にロールモデルがいると知って「自分にもできるかも」と思えたことが、Web制作を始める後押しになりました。

直感で「Webサイトを作るのは楽しそう」と思って始めてみたら、実際に楽しくて、そのまま開業。
フリーランスの4年間を振り返って「めちゃくちゃ楽しかった」と話します。

お客さんとやり取りする時間も好きだけれど、いちばんは何かと考えると、やっぱりコードを書いている時間だったと言います。

目次

「このままでいいのか」と思い始めた2年目|2年間動けなかった理由

転職を考え始めたのは、フリーランス2年目のころでした。

Webサイトを作っていても、「あまりプログラミングをしている感じがしない」と思い始めたのがきっかけです。
Webサイト制作の先に、アプリ開発へのステップアップがあると思っていたものの、どうやらそうではなさそうだと気づいたのだそうです。

アプリをどんどん作るような環境に入ったほうがいいのでは――。
そう思いながらも、実際に動き出すまでには2年ほどかかりました。

動けなかった理由は、住んでいた場所でした。
やるなら出社して、人がいる環境で働きたいとずっと思っていたものの、当時は都会へのアクセスがよくない地域に住んでいて、それが気持ちのうえで大きなハードルになっていたと振り返ります。

その後、アクセスのよい場所に引っ越したことで、外に出ていくハードルがぐっと下がり、ようやく動き始めることができました。
「住む場所が、自分の中でこんなに重かったんだ」と気づいたのは、つい最近のことだそうです。

背中を押したもの|「刺激が足りない」と感じた正体

開発に進みたいという気持ちを後押ししたきっかけは、いくつかあります。

ひとつは、去年参加したリアル開催の初芝ゼミでのこと。
「刺激が足りない」と相談したこのはるさんに、司会の初芝は「精神的な負荷が少ないからじゃない?」と返しました。
この言葉で、自分から機会を見つけて取りに行かないといけないと思うようになったそうです。

もうひとつは、実際に触れてみた開発の手ごたえです。
Webサイトに比べて、アプリケーション開発は難しく、ルールも厳しく、ややこしい。
それでもやってみたら「こっちのほうがめっちゃ楽しい」と感じたことで、「どうしてもそっちに行きたい」という気持ちが固まりました。

さらに、転職活動を終えてからデイトラ代表の大滝昇平さんとオフ会で話したとき、「ずっと寂しそうな感じがしていた」と言われたそうです。
ひとりで黙々と作業するのは好きで得意でもある。
でも、すぐそこに人がいる環境で仕事をしたいという気持ちが、心の奥にずっとあったのかもしれない、と話していました。

※Web制作とアプリケーション開発の違い
Web制作は、企業やお店のWebサイトを作る仕事です。アプリケーション開発は、ユーザーがログインしてデータを登録・管理するような「機能を持つ仕組み」を作る仕事で、扱う技術や開発の進め方(チームでのレビューなど)が大きく変わります。

転職活動は何から始めた?|先輩への相談と求人から逆算した自主制作

転職活動を始めて、このはるさんが最初にやったのは、知り合いのエンジニアに片っ端から声をかけて話を聞くことでした。

  • 現場はどんな雰囲気なのか
  • 1日の仕事はどんな流れで進むのか
  • どんな役割分担で開発しているのか

こうした業界の解像度を上げるところから始めたそうです。
話を聞いた中のひとりは、「決まるまで一緒に走り抜けよう」と言ってくれ、転職活動のあいだ大きな支えになりました。

次に、求人をリサーチして「どんな人が求められているのか」をつかみ、2ヶ月ほど自主制作に打ち込みます。
作ったのは、タスクや作業時間を記録して管理するアプリです。

作るものは「自分が使いたいもの」から決めた

学生時代によく使っていたアプリがあり、その「課金しなくても使える版」を作りたいと考えて、機能の要件を自分で考えました。

技術は「求人でよく見るもの」から決めた

求人でよく目にするTypeScriptなどのモダンな技術を、フロントエンドで使うと決めました。さらに、バックエンドも自力で学べることを示すために、バックエンドも自分でしっかり書いたそうです。

求人から逆算してポートフォリオを作るという進め方は、これから転職を目指す人にもそのまま参考になる考え方です。

※自主制作(ポートフォリオ)
仕事の依頼とは別に、自分のスキルを示すために自分で企画して作る作品のことです。未経験から開発職を目指す場合、「何を作れるか」「どの技術を使えるか」を伝える材料になります。

面接でいちばん大変だったこと|評価される場で緊張してしまう

転職活動でいちばん大変だったのは、面接だったそうです。

このはるさんは、ライブ配信やコミュニティの勉強会で話すのは平気です。
ところが、「評価される場」だと思った途端にすごく緊張してしまう。
最初のうちは頭が真っ白になって、うまく話せず、結果が出る前から落ち込んでしまうこともあったと言います。

面接では、「これはAIで書いたの?」と聞かれることも何度かあったそうです。
今はポートフォリオを作るだけならAIでもできてしまう時代。
だからこそ、自分で考えて書いたことを、自分の言葉で説明できることが大事になってきています。

フリーランスの経験は「実務経験」になる?

SNSでは「フリーランスの実務経験なんて、転職ではまったく評価されない」という声を見かけることもあります。
実際はどうだったのでしょうか。

このはるさんの体感では、8〜9割の会社では「未経験」として扱われたそうです。
アプリケーション開発を仕事としてやってきたわけではないので、それは自然なことだと受け止めています。

一方で、考え方が違う会社もちゃんとあったと言います。

「ここまで自分で勉強する人はなかなかいない」

経験者採用で募集していた会社でも選考が進んだことがあり、「なぜ未経験の私と面接してくださったんですか」と聞いたところ、「個人でここまで勉強している人はあまり見ないから、どんな人か興味を持った」と言われたそうです。

「一通りやってきたのは、立派な実務経験」

お客さんのところへヒアリングに行き、デザインを作り、コードを書いて納品し、その後の運用まで手伝う。この流れを一通り自分で経験してきたことを「立派な実務経験だと思いますよ」と言ってくれた会社もありました。

まとめると、やっていない開発の経験が評価されることはないけれど、フリーランスとしての活動そのものは評価され、興味を持ってもらうきっかけになったということです。
会社によって考え方は違うものの、ちゃんと評価してくれる会社はたくさんあったと話していました。

フリーランスでの経験を伝えるときは、「Webサイトを作った」だけでなく、ヒアリングから納品・運用まで仕事の流れを一通り自分で回してきたことを具体的に話せると、人物像として興味を持ってもらいやすくなります。

面接の立て直し方|質問の「意図」からエピソードを準備する

面接でうまくいかない時期が続くと、気持ちも下がってしまうものです。
このはるさんは、「面接を自分で設計すればいいんじゃないか」と考えて立て直しました。

面接でよく聞かれる質問は、本当によく聞かれます。
「自分をモノに例えると?」のような変わった質問は、ほとんど出ないそうです。

そこで、次の順番で準備を進めました。

  1. よく聞かれる質問をジャンル別にリストアップし、質問集を作る
  2. 質問ごとに「相手はこの質問で何を知りたいのか」という意図を考える
  3. その意図に合う、自分が話せるエピソードを何個か用意しておく

ポイントは、質問ごとに答えを丸暗記するのではなく、「相手が私の何を知りたいのか」から逆算して準備したことです。

緊張してしまう原因は、自信のなさにもあったと振り返ります。
あらかじめ自分の中で話の流れを組み立てておけたことが、転職活動を終えたあとに「これはやっておいてよかった」と思えた準備だったそうです。

これから楽しみなこと|先輩がいて、コードを見てもらえる環境

新しい環境で楽しみにしていることを聞くと、答えは「全部楽しみ」。
なかでも楽しみなのは、久しぶりに先輩がいる環境で働けることだそうです。

フリーランスでWebサイトのコードを書いていたときは、コードレビューをしてくれる人がいませんでした。
表示はされているし、スピードも出ているから大丈夫――と、自分の感覚だけで判断するしかない場面もあったと言います。

複数の人と一緒に、生でコードを見てもらいながら仕事ができるのは、これまでになかったこと。
「ゴリゴリやっていきたい」と、前向きな言葉で語ってくれました。

※コードレビュー
書いたプログラムを、ほかのエンジニアが読んで確認し、改善点や不具合を指摘し合うことです。チーム開発ではほぼ必ず行われ、品質を保つだけでなく、エンジニアとして成長する大きな機会にもなります。

今迷っている人へ|このはるさんからのメッセージ

最後に、同じように迷っている人へのメッセージを聞きました。

先輩や経験者の話を聞きに行く

ひとりで黙々と頑張るのもいい。でも、ずっとひとりで仕事をしてきて「ひとりで解決しなきゃ」と思っていたこのはるさんにとって、先輩の話を聞きに行ったことは結果的にとても心強く、頑張れる支えになったそうです。開発はチームで進める仕事だからこそ、人の話を聞いて馴染んでいくことも大事だと話します。

チャンスがあれば食らいついていく

自分から動かないと、たぶん何も変わらない。思っていることがあるなら、どんどん動いていくのがいいと思う、と語ってくれました。

ライブのチャットからは、「転職活動を始めるまでに、技術の勉強にどのくらい時間をかけたか」という質問も届きました。
このはるさんは、TypeScriptやSQLなどを基礎を一通り終えてからではなく、アプリを作りながら学んでいったそうです。
ちょうど引っ越しで仕事を減らしていた時期に、1日3〜4時間を2ヶ月ほど勉強にあてました。

そして最後のひと言は、こんな言葉でした。
「人生において、やりたいことをやらないのはすごくもったいない」

「早くやっておけばよかったことは?」と聞かれたとき、このはるさんの答えは「転職活動そのものを、もっと早くやればよかった」だったそうです。
行動するのに早すぎることはない。やりたいことがある人は、どんどん挑戦したほうがいい――。
そんな前向きなメッセージで、対談は締めくくられました。

ライブ全編(質疑応答を含む約70分)は、デイトラストーリーズのアーカイブから見られます。

Web制作フリーランスからのエンジニア転職に関するよくある質問

Q. フリーランスのWeb制作の経験は、エンジニア転職で実務経験として評価されますか?

会社によります。このはるさんの体感では8〜9割の会社で「未経験」として扱われましたが、ヒアリングから納品・運用までを一通り経験してきたことを「立派な実務経験」と評価してくれる会社もありました。

Q. Web制作からエンジニアを目指すとき、まず何から始めればいいですか?

このはるさんは、まず知り合いのエンジニアに現場の様子や仕事の流れを聞き、業界の解像度を上げるところから始めました。そのうえで求人を調べ、求められている技術を使った自主制作に取り組みました。

Q. 自主制作(ポートフォリオ)は何を作ればいいですか?

「自分が使いたいもの」と「求人でよく見る技術」の掛け合わせで決める方法があります。このはるさんは、学生時代に使っていたアプリをもとにタスク・作業時間の管理アプリを作り、フロントエンドとバックエンドの両方を自分で書きました。

Q. 面接で緊張してしまう場合はどう対策すればいいですか?

よく聞かれる質問をジャンル別に洗い出し、質問の意図ごとに話せるエピソードを用意しておく方法があります。答えを丸暗記するより、話の流れを自分で組み立てておけることが自信につながったそうです。

Q. 転職活動までにどのくらい勉強しましたか?

このはるさんの場合は、1日3〜4時間を2ヶ月ほどです。基礎を一通り終えてからではなく、アプリを作りながらTypeScriptやSQLなどを学んでいきました。

Web制作から始めて、その先のキャリアも選べるようになるならデイトラ

このはるさんのように、Web制作から仕事を始め、経験を積んだうえで開発の道を選ぶ人もいます。
最初の一歩としてWebサイトを作れるスキルを身につけておくと、フリーランス・副業・転職と、その先の選択肢を自分で選べるようになります。

デイトラの「Web制作コース」は、実務レベルを想定したカリキュラムと、現役プロによる質問対応が特徴のオンラインスクールです。
開発の仕事に興味がある方には、Webアプリケーションの開発を学べる「Webアプリ開発コース」もあります。

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この記事に登場した受講生
このはるさん(@kosansansun)
デイトラでWeb制作を学び、フリーランスのWeb制作者として約4年活動。開発未経験からエンジニアへの転職を決め、2026年12月から開発エンジニアとして働く予定。