
Web制作の現場では、これまで「デザインはFigma」「実装はエンジニア」と役割分担するのが一般的でした。
しかし近年、ノーコードや生成AIの進化により、デザインからコーディングまでを一気通貫で自動化する流れが加速しています。
その中でも注目されているのが、AIベースのWeb開発ツール「Bolt.new」に搭載された新機能「Figma to Bolt」です。
この記事では、Figma to Boltの基本的な機能概要や実際の使い方の流れ、再現の精度、活用時の注意点を解説します。
「FigmaのデザインをそのままWeb化したい」「AIでコーディングを効率化したい」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。

Figma to Boltとは?
「Figma to Bolt」とは、Webアプリケーション開発のためのAIツール「Bolt.new」に2025年3月に追加された新機能です。
従来のBolt.newは、チャット欄に英語で自然言語の指示を入力すると、AIがReactをベースに自動でWebサイトを構築してくれるツールとして注目されていました。

新たに加わった「Figma to Bolt」は、Figmaで作成したデザインファイルのURLを貼り付けるだけで、そのままサイトを構築してくれます。
その結果、コードの知識がなくても、誰でもFigmaデザインをもとにサイトを完成させることが可能になりました。
FigmaデータをBoltに読み込ませる手順
ここからは、実際に「Figma to Bolt」を使ってFigmaデータからWebサイトを生成する流れを見ていきましょう。
- Bolt.newにアクセスし、「Import from Figma」ボタンをクリックする
- Figmaのデザインリンクを用意する
- BoltにURLを貼り付けて読み込む
- 生成されたWebサイトをプレビューする
1:Bolt.newにアクセスし、「Import from Figma」ボタンをクリックする
チャット欄のすぐ下にある「Import from Figma」というボタンをクリックします。
2:Figmaのデザインリンクを用意する
次に、Figmaで読み込ませたいデザインを開き、対象のフレームを右クリックして「選択範囲へのリンクをコピー」を選択します。
3:BoltにURLを貼り付けて読み込む
コピーしたURLをBolt側の入力欄にペーストし、「Import Figma frame into Bolt」をクリックします。
少し待つと読み込みが完了し、AIが自動でコードを生成してくれます。
4:生成されたWebサイトをプレビューする
生成が完了すると、React形式で構築されたコードとともに、「Preview」画面で実際のWebサイトが表示されます。
この時点で、すでに見た目がFigmaのデザインとかなり近い状態のページが出来上がっています。

コードを書かずにここまで再現できるのは、Web制作の流れを変える可能性があると思いましたね。
Figma to Boltの再現度はどれくらい?
Figma to BoltでFigmaのデザインを読み込んだ結果、シンプルなランディングページ(LP)程度であれば高い精度で再現できることがわかりました。

Figmaで作成したデザインカンプ見出し・テキスト・画像・ボタンなどで構成されたデザインでしたが、Figmaに近い構造・見た目でWebサイトが自動生成され、見比べても違和感のないレベルに仕上がっています。
AIが読み取りやすい構造だと高精度で再現できる
高い再現度が得られた要因は、Figmaデザインに次のようなAIに優しい工夫がされていたためです。
- オートレイアウトを使用して要素の配置・余白が整理されている
- セクションやパーツのサイズや配置が一貫している
- 画面幅に応じて折り返しや再配置されるよう設計されている(レスポンシブ対応)
Figmaのフレーム幅をPC(1440px)からタブレット(768px)、スマホ(390px)などに切り替えても、レイアウトが崩れず再配置される構造になっていたため、Boltもそれを読み取って忠実に再現できたと考えられます。
動的なUIや複雑な構成の再現は難しい
ただし、すべてのデザインが完璧に再現できるわけではありません。
特に、次のような要素には限界があります。
- ホバーアニメーションやインタラクション
- JavaScriptで動的に切り替わるUI(タブ・カルーセルなど)
- 多層構造のメニューや複雑なコンポーネント
こうした要素は自動では生成されず、コードを出力した後に手動での調整が必要になるケースが多いです。

これは実務でも十分に使えるレベルだと感じます。
Reactだけじゃない!HTML+CSS形式にも対応
Figma to Boltでは、デフォルトでReact形式のコードが自動生成されます。
現代のWeb開発では主流のフレームワークですが、案件によってはもっとシンプルなHTMLとCSSの構成で出力したいケースもあります。
Figma to Boltでは、自然言語での指示により出力形式の変更が可能です。
チャット欄に「Reactではなく、HTMLとCSSで作成できますか?」と入力するだけで、React形式ではなくHTML+CSSでコードを生成してくれます。
実行すると、index.htmlとstyle.cssが生成され、Bolt上のファイルタブからそれぞれの内容を確認できます。
Figma to Boltの再現度を高めるためのポイント3つ
Figma to Boltは便利な機能ですが、読み込ませるFigmaデザインの作り方次第で、実装の精度に差が出るのも事実です。
AIにとって理解しやすいデザインを心がけることで、より正確なコード生成が期待できます。
ここでは、Figma to Boltの再現度を高めるための具体的なデザインのポイントを紹介します。
- オートレイアウトを活用する
- レスポンシブ対応を意識する
- コンポーネントと階層をシンプルに保つ
1:オートレイアウトを活用する
オートレイアウトを使えば、要素の構造や間隔を明確に定義できます。
AIにとっては、手動配置されたバラバラの要素よりも、グループ化されたルールある構造のほうが読み取りやすくなります。
2:レスポンシブ対応を意識する
Figma上で画面幅を変えても崩れないデザインになっていれば、Boltもそのレスポンシブ構造を正しく認識しやすくなります。
特に、以下のような調整をしておくとよいでしょう。
- ブレイクポイント(例:768px、390px)ごとに調整されたレイアウト
- テキストの折り返しや自動改行
- スマホ・PCの両方を1つのアートボード内で確認できる構造
3:コンポーネントと階層をシンプルに保つ
AIは複雑な階層構造や過度なネストに弱いため、構造はシンプルに保つのが理想です。
たとえば、次のような点に注意しましょう。
- 不要なフレームの入れ子を避ける
- ボタン、セクション、見出しなどを明確に分ける
- テキストや画像にはラベル(レイヤー名)を適切に設定する
構造が明確であれば、Boltの出力も安定し、期待通りのデザインになります。
まとめ:Figma to BoltでWeb制作を効率化しよう
Figma to Boltは、Figmaデザインを読み込むだけでWebサイトを自動生成できるBolt.newの新機能です。
コード不要で、出力形式も自然言語で切り替え可能なため、デザイナーや非エンジニアでも実装まで完結できます。
構造が整理されたシンプルなデザインであれば、高い精度での再現が可能です。
一方、アニメーションや動的UIなど複雑な要素には対応が難しく、必要に応じて手動での調整が必要になります。
再現度を高めるには、オートレイアウトやレスポンシブ設計、階層のシンプル化など、AIが理解しやすい設計を意識しましょう。
まだFigma to Boltを使ったことのない方は、本記事の内容を参考にして試してみてください。
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はにわまんさん(@haniwa008)
Webコーダー。コーディングを中心にディレクションからサイト運用・保守まで、Web制作全般の仕事に400件以上携わった経験あり。デイトラのマネージャーも務めている。