独立後“たった8ヶ月”で年収1,000万円を達成したフリーランスマーケターに「マーケティングで稼ぐ為の極意」を余すことなく聞いてきた。

フリーランスのWebマーケターとして独立したいけど、実際どうすればなれるの…?

Webメディアやインターネット広告の発展と拡大に伴い、近年「Webマーケター」の需要が急激に高まるようになりましたが、フリーランスのマーケターとして第一線で活躍している人はそう多くありません。

Webフリーランスの代表格とも言えるエンジニアやデザイナーとして独立する人は多いものの、マーケターとして独立する人はごく稀です…。

そこで今回は、現役のフリーランスのマーケターとして活躍されている笹本さん(@sasamoman)にインタビューしてきました!

笹本さんは言わずと知れた某大手通信会社でマーケターとして活動しており、独立後1年足らずで年収1,000万円を達成したスペシャリストです。

そんな笹本さんに「フリーランスマーケターとして稼ぐ為に必要なこと」や「マーケターになる為のキャリア論」についてを伺ってきました。

これからフリーランスマーケターとして独立したい…。
マーケターとしてのキャリアをどう積んでいけば良いのか知りたい…。

といった方は、是非参考にしてみてください!

笹本さん
【インタビュイープロフィール】
笹本 康貴さん(@sasamoman)
フリーランスマーケター。新卒でマイクロアドに入社後、3年間新規事業部として活動する。2019年よりフリーランスに転向。マーケティング戦略を主軸に、広報戦略、企画、執筆、イベント運営など活動中。
初芝
【インタビュアープロフィール】
初芝賢@hatushiba_ken
東京フリーランス編集長。現在はシステム開発のPMや新規事業に携わる一方で、フリーランスライターとして出版・キャッチコピー・WEBメディア連載などを手掛けている。東京フリーランスではインタビュアーや司会進行を務めることが多い。

独立1年目で年収1,000万円を達成したフリーランスマーケターのキャリアとは

初芝
本日はよろしくお願いします!
現在笹本さんはフリーランスのマーケターとして活動されているんですよね?
笹本さん
はい!
2019年3月にフリーランスのマーケターとして独立し、独立後8か月目で年収1,000万円を稼げるようになりました。
初芝
え!?
フリーランス8ヶ月目で年収1,000万円ってすごいですね…。
具体的な仕事内容について是非教えて頂けますか?
笹本さん
某大手通信会社にて主にマーケティング業務をしています。
他にも複数社から業務委託を受けていて、仕事の範囲はべンチャー企業の支援や広報戦略の立案、執筆活動などと多岐に渡りますね。
初芝
まさに前線で仕事を受けるプロフェッショナルなフリーランスですね!
実際に大手の通信会社でフリーランスとして働いてみてどうですか?
笹本さん
はい、めちゃくちゃ楽しいですね。
大手通信会社は膨大な顧客データを抱えているので、データを活用してWeb広告や動画広告に関する新たな施策を打ち出せないかと、自分の経験を踏まえながら日々提案しています。

学生時代のインターンで味わった「マーケティングの面白さ」

初芝
フリーランスとして独立後1年以内に年収1,000万円稼ぐにはそれなりの経歴や実力が必要だと思うんですが、一体どんなキャリアを積んでそこまで上り詰めたんでしょうか?
笹本さん
学生時代の「長期インターン」が今に活きていると思いますね。
僕は大学時代ビズリーチという会社で13か月間インターンをしていましたが、そこで実際にマーケティングの世界に触れてみて、初めて「マーケティングの面白さ」や「広告運用の可能性」を感じたんです。
初芝
きっかけはインターンだったんですね!
笹本さん
そしてGunosyやWantedlyでもインターン生として2年ほどマーケティングの経験を積み、その後に新卒でマイクロアドに入社しました。
初芝
なるほど。
インターンも合わせると、新卒で入社した会社は既に4社目だったというわけですか…。
学生時代に計3社でインターンをしていたという圧倒的な経験が、今のキャリアへと活かされているんですね。

「普通が嫌い」で異例の部署へ乗り込んだ新卒時代

初芝
新卒でマイクロアドへ入社後、どんな部署へ配属されたんですか?
笹本さん
僕が配属されたのは「新規事業部」でしたが、そこは今まで新卒が一度も配属されたことのない部署でした。
当時新卒は「広告営業」の部署へ配属されるのが普通だったけど、普通が嫌だったので「新規事業部に入らせてください」とお願いしたんです。
初芝
えー!すごい行動力ですね!
でも、なぜ新規事業部に入りたいと考えられたのでしょう?
笹本さん
主に大手企業のブランディングの仕事をしたり、代理店を経由せず直接クライアントさんと施策を進める「直販」ができたりする部分に魅力を感じていました。
初芝
そなるほど。
でも、通常新卒では入れないんですよね…?
笹本さん
はい。
そこで何とか入れてもらおうと、過去のインターンの経験を踏まえ「自分なら力を発揮できそうです」と強く交渉を重ね、半月間の内定者バイトで猛アピールして合格を勝ち取りました。

やりたいことは、なんでもやる。

初芝
決して諦めず、タフな交渉を続けた結果だったんですね!
でも、なぜそこまでして新規事業部に入る必要があったんでしょうか…?
笹本さん
僕は後悔しない生き方をしたいんですよ。
自分がやりたいと思ったことは「どんな手を使ってでもやりたいと」思っちゃうんです(笑)
普通は無理なことでも、それを「どうやってやろうか」と頭使って考えていくのが好きなので。
笹本さん
常に自分の強みを分析して現状把握し、予め設定したゴールと現状との乖離をどう埋めるかについて試行錯誤しています。
初芝
自分を客観視して相手に売り込むという考え方がまさにマーケティングですね(笑)

笹本さんはなぜマーケティングの世界へ飛び込んだのか

初芝
笹本さんは学生時代から複数社でマーケティングをされていましたが、なぜ学生時代からマーケティングを軸に活動されていたんですか?
笹本さん
きっかけはビズリーチで広告運用をさせてもらったことでしたが、そこに至るまでの経緯はかなり偶然でした。

たまたま書いた英語の履歴書から全ては始まった

笹本さん
カナダへ留学していた大学時代、中国の友人に勧められたLinkedinにゼミの一環で英語の履歴書を載せていました。
すると、ビズリーチの営業部長がたまたま僕の履歴書を見てくれていて、Linkedin経由で声をかけてもらえたんです。
初芝
すごいですねそれ…!
笹本さん
英語の履歴書はたまたまゼミで必要だから作っただけでしたが、まさかそれがきっかけになるとは自分でも予想がつきませんでした。
僕は一つ一つのご縁をとても大事にしていたので、この機会は逃さなかったですね。
初芝
なるほど。
マーケティングとの出会いは偶然だったけど、その偶然の出会いをちゃんとものにしたというわけですね。

マーケティングは人を“一瞬”幸せにできる

初芝
今ではマーケティングを本職にして活動されているかと思いますが、笹本さんの中でマーケティングを本職にしようと思った決め手などはありましたか?
笹本さん
マーケティングを通して、人を一瞬でも幸せにさせられると考えたからですね。
笹本さん
いつの時代も、トレンドを創り出しているのはマーケティングであって、それは自然に“起こる”のではなく“起こして”います。
なので、自分が「いいな」と思ったサービスや商品も、誰かによって「いいな」と思わされているんですよ。
笹本さん
そうやって、良いものを「良い」と相手へ想像させられる部分に面白みを感じていますね。

日本のおもてなしに興味をもち「人を幸せにしたい」というビジョンを抱く

初芝
なるほど…。
では、「マーケティングで人を一瞬幸せにできる」と感じたようなエピソードって何かありますか?
笹本さん
きっかけは、母親が「日本のおもてなし」を伝えてくれたことでした。
母親の影響で学生時代から日本のおもてなしに興味を持ち、「人を幸せにしたい」というビジョンのもと、おもてなしができるホテルマンやキャビンアテンダントのような仕事を軸に絞っていました。
笹本さん
しかし、後々ホテルマンやキャビンアテンダントは「かなり重労働」だと現場で働く人から聞いて断念しました。
将来家族を幸せにしたいという想いも強くあったので、重労働だと家庭のために時間を確保できないと考えたんです。
初芝
そんなストーリーがあったとは…。
「おもてなし」を仕事にしたい欲はあるけど、家族との時間を確保する方が重要だったんですね。

人の幸せをコントロールすることは難しい

笹本さん
そうなんです。
その後はビズリーチで初めてマーケティングの仕事に触れてみたんですが…そこで「人の幸せはコントロールできない」ことに気づきました。
笹本さん
昨日まで転職したいという熱意があった人でも、翌日になると少しモチベーションが下がってしまうように、人のモチベーションはその時々で変わります。
だから人の幸せをコントロールするのは難しいんですが、「一瞬の幸せ」ならコントロールできるかもしれないと思ったんです。
初芝
ふむふむ。
一瞬だけ…なんですね。
笹本さん
はい。
例えば、当たり付きの自動販売機で当たりを引いて飲み物がもう一本もらえた時、「今日はラッキーだな」と思うじゃないですか。
その「ラッキーだった」という気持ちが、自分の一日を少しだけハッピーにしてくれるんですよね。
笹本さん
そこで僕は、人々の一瞬の幸せを届けられるのが「Web広告」だと思ったんです。
多くの人に一瞬の幸せを感じてもらうため、そして「これに出会ってよかった」言ってもらえる広告を配信するために、マーケティングの世界に飛び込みました。
初芝
なるほど。
マーケティングなら一瞬でも「人を幸せにする」というビジョンに寄与するし、やり方次第で自由に働けるから、笹本さんにピッタリだったのかもしれませんね。
笹本さん
やはり、マーケティングが天職だったのかもしれません(笑)

どうやってフリーランスマーケターとして年収1,000万円を達成したのか

初芝
そうは言っても、マーケターとして年収1,000万円以上稼ぐのって簡単じゃありませんよね…。
フリーランスになりたてながら、笹本さんはどうやってそれを達成したんですか?
笹本さん
大口顧客と信頼関係を築き、しっかりと単価を上げていったことが大きいですね。
初芝
なるほど。
信頼関係を築きながら単価を上げていくにはどうすれば良いんでしょう?
それって決して簡単なことではないと思うんですが…。
笹本さん
「周りにできなくて自分にできること」を意識するのが大事だと思います。
僕は当時から社内を俯瞰することが大事だと思っていたので、自分の価値を可視化しながら「みんなができないけど自分ができること」を常に分析していました。
笹本さん
会社に限らず、世界は需要と供給で成り立っています。
そこで「この現場にはどんな需要と供給があるのか」を考えた結果、自分のマーケティングスキルを最大限活かせれば、現場の需要を満たせると確信したんです。
これこそが、信頼を獲得して単価をアップさせられた一番のファクターでした。
初芝
着眼点が素晴らしいですね!
その後、マーケティングのどんなスキルを活かされたんでしょうか?

笹本さん
過去に培った広告運用やマーケティング戦略の立案などのスキルや経験を活かしましたね。

初芝
過去のキャリアをフル活用し、自分にしか出せないバリューを発揮されたんですね。
笹本さん
もちろん、ただ「広告運用ができる」という人はたくさんいましたが、僕はそれに加えて「戦略立案や広報もできます」と付加価値をつけてアピールしました。
複数のスキルを掛け合わせると急激に希少価値が上がっていくので、持っているキャリアをフル活用しながら自分にしかできないバリューを発揮していったんです。
それが自分の希少性となり、顧客との信頼構築にも繋がりました。

フリーランスのマーケターとして活躍する為に必要なこと

初芝
では、これからマーケティングでキャリアを積むには具体的にどうすれば良いんでしょうか?

まずは会社でマーケティングの経験を積んでおこう

笹本さん
まずはマーケティングが学べる会社で働きながら、吸収できるものをとことん吸収しておくのがベストだと思いますね。
僕がこうして独立して稼げているのも、過去の会社での経験が価値となっているからです。
会社には大きな顧客基盤があるので、個人では到底できないようなマーケティングも実践させてもらえます。
初芝
確かに、いきなりフリーランスとして企業のマーケティングを担うのはそう簡単ではありませんしね。
笹本さん
はい。
だからこそ、フリーランスになる前に会社でバリューを発揮するのが大事で、特に大学生ならインターンはするべきです。
笹本さん
他にも営業やプログラミング、デザインなどといった「マーケティング以外のこと」もやっておいた方がいいですね。
マーケティングだけに限りませんが、単一の職能だけだとコモディティ化してしまうので、やはりスキルの掛け合わせが大事になってくると思います。
初芝
そうですね。
僕も大学のもっと早い段階からインターンしておけばよかったです(笑)

マーケティングは「日常生活」から学べ

笹本さん
それに、マーケティングを学べる機会は日常生活にも潜んでいると思ってます。
商品のプロモーションをする時、大半が自分で実際にその商品を買わないままおすすめしちゃうんですよね。
だけど、そこでプロモーションする商品に対して主体的になることが大切なんです。
笹本さん
例えば、僕は新型のiPadが出た時も、商品の新しい価値や変化を実際に体感したかったので速攻で注文しました。
そうやって実際に商品を使ってみて、トレンドに乗ってみることが大事だと思うんです。
これだけでもマーケティングの力がつきますよ。
初芝
それはかなり再現性高いですね!
流行ってるものを直近で見て、新しいものの変化を肌感覚で掴んでいくのが重要だなって思います!

おわりに:フリーランスになるなら先に理想像を明確にしておこう!

初芝
最後に、マーケターとしてフリーランスになりたい人へのメッセージを頂けますか?
笹本さん
まずは「フリーランスになった後にどうなりたいか」という理想像を明確にすることが大事ですね。
個の時代の到来に伴い「好きなことでお金を稼ごう」とよく言われていますが、僕はちゃんと“リアル”を見て仕事をした方が良いと思っています。
笹本さん
確かに「好きなことで生きていく」というのは理想ですが、今の環境が5年後10年後はどうなるかはわかりませんし、まずはフリーランスとして生き続けるために何が必要なのかを考えていくべきだと思いますね。
ただでさえ今はトレンドの移り変わりが速すぎる時代ですし、ちゃんと地に足をつけて考えるべきです。
笹本さん
僕は独立する前に「30歳までに年収3000万円稼ぐ」という目標を掲げ、そのために今どうすれば良いのかを逆算して考えて動いてきました。
初芝
まずは「好きなことをやる」のではなく、とにかく「お金を稼ぐこと」にフォーカスされたんですね。
笹本さん
はい。
なので「何をやるか」ではなく、「5年後、10年後にどうなりたいか」をちゃんと考えて今を生きる必要があると思っています。

以上、これからフリーランスになりたいという方は、マーケターとしての独立も選択肢の一つです。

つい最近インターネット広告費が2兆円を超え、テレビメディア広告費を追い抜いたと発表がありましたが、ネット広告市場の拡大に伴い、今後あらゆるWeb媒体でより一層「マーケター」が求められるようになるでしょう。

どんな業種であれ「マーケティングスキル」はもはや必須項目です。まさに、これほど汎用力の高いスキルは他にないんじゃないかというレベル。

まずはマーケティングが学べる会社に入って「時代のスキル」を習得し、培った経験をもとにフリーランスマーケターとして独立してみてください!

笹本さんのTwitterアカウントはこちら⇒@sasamoman

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