Webデザインを学び始めたばかりのころ、バナーやサイトを作ってみても「なんとなく物足りない」「なぜか素人っぽい」と感じることはありませんか?
その原因は、ちょっとしたポイントを見落としているからかもしれません。
実は、多くの初心者が共通して陥りやすい「もったいない失敗」が存在します。
この記事では、SNS総フォロワー47万人以上を誇るデザインメディア「デザイン研究所」さんによる添削をもとに、初心者Webデザイナーがやりがちな5つの失敗例とその改善策を具体的に解説します。
自分のデザインを見直す視点を養いたい方は、ぜひ最後までチェックしてください!
元のデザインとプロによる添削後のバナーを比較!
今回の添削対象となったのは、格安SIMサービス「デイトラモバイル」の新プランを紹介する広告バナーです。
ターゲットは20代から40代の男女で、スマートフォンユーザー向けに「ストレスフリーな通信生活」をアピールする内容となっています。
まずは、添削前と添削後のバナーデザインを比較してみましょう。
元のデザインは、キャッチコピーや価格情報が大きく配置され、ぱっと見のインパクトはありました。
また、デイトラモバイルのロゴカラーに合わせた配色がされており、ブランドイメージに配慮している点も評価できるポイントです。
しかし一方で、バナー全体から伝わる「ストレスフリーな通信生活」というメッセージが、やや弱くなってしまっている課題がありました。
たとえば、使用されていた写真は表情が硬く、メッセージと十分にリンクしていなかったり、配色もやや重く見えるなど、伝えたいイメージとデザインの間にズレが生じていました。
添削を通じて、写真選びや配色、レイアウトの細部をブラッシュアップし、「ストレスフリー」というコンセプトがより直感的に伝わるバナーへと進化。
ターゲット層に響く、軽やかで親しみやすいビジュアルに生まれ変わりました。
Webデザイナー初心者がやりがちな失敗と改善策
ここでは、デザイン添削の実例をもとに、Webデザイナー初心者がやりがちな失敗とその改善策を具体的に解説します。
自分のデザインを見直すヒントとして、ぜひ参考にしてください。
やりがちな失敗1:目的のない要素を追加してしまう
バナー全体の方向性を明確にするためには、無意味な要素を取り除くことが重要です。
今回の添削では、特に意味を持たない背景の半透明図形を削除することで、デザインの重たさを解消し、メッセージ性をより強調する工夫が施されました。
意味のない装飾がデザインに与える悪影響
なんとなくで追加した要素は、デザインに次のような悪影響を及ぼします。
- 余白が失われ、デザインが窮屈に見える
- 視線が散り、重要な情報が伝わらない
- メッセージがぼやける
- 素人っぽく見える
このように、無意味な装飾は情報の伝達力を弱め、デザイン全体の印象を損ねる原因になります。
実際、添削後のバナーでは、不要な図形を削除したことで「ストレスフリーな通信生活」というコンセプトがよりクリアに伝わるようになりました。
Webデザインで「無駄な要素」を防ぐためのポイント
初心者がこのミスを防ぐためには、要素を追加するたびに存在理由を意識することが重要です。
デザインに新たな要素を加える際は、「この要素はデザインの目的に本当に貢献しているか?」を考えてみましょう。
明確な理由が見つからない場合、その要素は思い切って削除するべきです。
意味のない装飾は、デザイン全体にノイズを生み、メッセージを曖昧にするリスクがあります。
必要な情報だけを厳選し、余白を効果的に活かすことで、より洗練されたプロフェッショナルな印象のデザインに仕上げられます。
やりがちな失敗2:レイアウトの基本と視線誘導を無視している
バナーの完成度を高めるためには、レイアウトの基本と視線誘導を意識することが重要です。
今回の添削では、要素の配置を見直すことで、ユーザーにとってより直感的に理解しやすいデザインへとブラッシュアップされています。
レイアウトの基本を無視するとどうなるか?
レイアウトの「型」や「視線誘導」を無視すると、デザインに次のような悪影響が生じます。
- 視線が迷う
- 使いにくいデザインになる
- 伝えたい意図が正しく伝わらない
このように、レイアウトの基本を押さえていないと、ユーザーにとってわかりにくく、意図が伝わらないデザインになってしまう恐れがあります。
レイアウトを改善するために意識すべきポイント
こうした問題を防ぐためには、まずレイアウトの基本的なパターンを理解することが大切です。
デザインの基礎知識として、人の視線は左上から右下へ自然に流れる傾向があることが知られています。
また、ユーザーの行動を促すCTAボタンは、視線の流れに沿った右側や右下に配置されることが一般的です。
今回の添削でも、ロゴを左下、CTAボタンを右下に移動することで、視線の自然な流れに沿ったレイアウトへと改善されました。
その結果、ユーザーは無理なく情報を受け取り、スムーズに行動へ移りやすくなります。
その上で、伝えたいメッセージや情報の優先順位に合わせて、柔軟に配置を工夫しましょう。
やりがちな失敗3:デザインの意図と画像がズレている
デザインにおいて写真は、印象や伝えたいメッセージを大きく左右する重要な要素です。
今回の添削例では、スマホを持つ女性の写真が使用されていましたが、バナーの主旨である「ストレスフリーな通信生活」というポジティブで開放的なイメージを伝えるには、やや表情が硬く、インパクトが弱い印象を与えていました。
画像とメッセージがズレるとどうなるか?
写真とデザインの意図がかみ合っていないと、次のようなデメリットが生じます。
- メッセージが響かない
- ちぐはぐな印象を与える
- 感情に訴えかけられない
このように、画像選びを誤るとデザインが十分に機能せず、伝えたいメッセージがユーザーに届かなくなってしまいます。
伝えたいイメージを体現する画像を選ぼう
画像を選ぶ際には、まず「このデザインで何を伝えたいのか」「ユーザーにどんな気持ちになってほしいのか」を明確にすることが大切です。
今回の添削では、「ストレスフリー」というコンセプトに合わせて、より明るく、開放感のある表情を持つ女性の写真に変更されました。
その結果、バナー全体の雰囲気が一気に軽やかになり、「ストレスフリーな通信生活」というメッセージが直感的に伝わるデザインへと改善されています。
写真選びでは、単におしゃれなものを選ぶのではなく、表情・色味・シチュエーションといった細かな要素までしっかり意識し、デザインの目的やターゲット層に最適な一枚を選ぶことが重要です。
やりがちな失敗4:配色が好みや既存色に引っ張られている
デザインにおいて配色は、印象やメッセージの伝わり方を大きく左右します。
初心者にありがちな失敗のひとつが、「好きな色だから」「ブランドカラーだから」という理由だけで配色を決めてしまうことです。
今回の添削例でも、デイトラのブランドカラーである紫が基調に使われていましたが、バナーの目的である「ストレスフリーな通信生活」という軽やかなイメージには、やや重く感じられる面がありました。
配色ミスが引き起こすデメリット
目的に合わない色使いは、次のような問題につながります。
- メッセージと矛盾する
- 意図しない印象を与える
- 優先順位が伝わらない
こうしたミスマッチが積み重なると、デザイン全体の伝達力や訴求力が大きく低下してしまう恐れがあります。
色選びで意識すべきポイント
配色を決める際に最も重要なのは、「デザインの目的を最優先する」という視点です。
まず、このデザインで何を達成したいのかを明確にしましょう。
その上で、目的に合った色を選び、必要に応じて色彩心理も参考にすると、より効果的な配色が可能になります。
今回の添削では、「ストレスフリー」というテーマに合わせ、爽やかさや軽やかさを感じさせる水色ベースの配色へと変更されました。
文字に施されていた影も削除し、全体がスッキリと軽快な印象に整えられています。
Webサイト全体の統一感を重視する場面ではブランドカラーを優先し、広告バナーのように即効性が求められる場面では、目的達成を最優先に判断しましょう。
やりがちな失敗5:細部の調整が甘く、読みにくさ・野暮ったさにつながっている
デザイン全体の方向性が良くても、細部の調整が甘いと、途端に素人っぽさや読みにくさが目立ってしまいます。
特に、文字まわりや繰り返し使われる要素の扱いには注意が必要です。
今回の添削例でも、ボタン内の文字や繰り返し要素など、いくつかの細かな修正ポイントが挙げられていました。
細部の甘さがデザイン全体に与える影響
細部の調整不足は、次のような問題を引き起こします。
- 読みにくい・伝わりにくい
- 素人っぽく見える
- デザイン原則が活かされない
このような細かなズレの積み重ねが、デザインの完成度を大きく左右してしまうのです。
細部まで丁寧に調整するために意識すべきこと
仕上げの段階では、次のポイントをしっかり意識して細部を整えましょう。
- ボタンなど小さな要素の文字
フォントサイズや太さは統一し、可読性を最優先に考えます。シンプルな統一感のあるボタンは、操作しやすく、デザインにもまとまりが生まれます。 - 繰り返し要素のサイズ調整
同じ役割を持つ要素は、サイズや余白を統一します。テキスト量が異なる場合は、最も大きいものに合わせて揃えると、全体が安定したレイアウトになります。 - 行間の最適化
関連性の強い文字同士は行間を詰めてグループ感を出し、異なる項目間は適度に余白を取ることで、情報の整理がスムーズになります。ただし、詰めすぎによる窮屈さには注意が必要です。 - キャッチコピーの可読性重視
特に伝えたいメッセージは、どんなデザイン上の処理よりも「読みやすさ」を最優先しましょう。特殊なフォントや配置を使う場合でも、ストレスなく読めるかを必ず確認することが重要です。
一見、地味な作業に見えるかもしれませんが、こうした細かな調整の積み重ねこそが、デザイン全体の質を格段に高める秘訣です。
「神は細部に宿る」という言葉の通り、最後まで手を抜かずに細部に気を配ることで、デザインは見違えるほど洗練されたものになります。
まとめ:細部への意識がデザイン全体の完成度を決める
今回紹介した5つの失敗例は、一つ一つは小さなミスに見えるかもしれません。
しかし、こうした細部への意識の積み重ねこそが、デザイン全体の完成度を大きく左右します。
デザインを仕上げる上で意識したいポイントは、次の3つです。
- デザインの目的を意識し、すべての要素に存在理由を持たせる
- 視線誘導やレイアウトの基本パターンを理解し、伝えたいイメージに一貫性を持たせる
- 細部にまでこだわり抜き、クオリティを高める
初心者のうちは失敗を恐れず、添削やフィードバックを積極的に受けながら、確実にスキルを磨いていきましょう!
なお、当メディアでは他にもデザイン研究所さんの添削をまとめた記事を公開していますので、あわせてご覧ください。
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独学では得られないプロの着眼点を知れるので、デザインスキルをぐんぐんレベルアップできますよ。
また、デイトラWebデザインコースは、随時教材をアップデート!一度受講したら追加された講座も無料で閲覧できるので、デザインスキルもどんどんアップデートし続けられる最高の学習環境を提供しています。
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デザイン研究所さん(@designkenkyujo)
デザイナーからノンデザイナーまでに、役立つデザインポイントをわかりやすく解説するメディア。SNS は総フォロワー数47万人以上を誇り、デザインジャンルでは日本最大級。2023年には初の著書となる「デザインのミカタ」を出版し、発売後に即大重版・Amazon総合1位(2023/8/2)を獲得。