Webデザインを始めたばかりの初心者が最初に悩むのが、「バナーが素人っぽく見える」問題です。
実はデザインがうまく見えない原因はセンス不足ではなく、文字と写真の扱い方を知らないだけ。
本記事では、誰でもすぐ実践できる2つの基本ルールを使って、バナーを一気にプロっぽく改善する方法を解説します。
※本記事の内容は、2025年7月26日時点のものです。
Webデザイン初心者のバナーにありがちな惜しいポイント
まずは、Webデザイン初心者が実際に作成したバナーを見てみましょう。
ゼリーの写真は美しく、商品の世界観を表現する涼しげな紫の色使いも魅力的です。
素材選びのセンスはとても良く、伸びしろを感じる仕上がりになっています。
しかし、プロのデザインと比べると「あと一歩惜しい」と感じるポイントがありました。特に次の2点です。
- 文字が背景に溶け込み、読みにくい
- 主役である写真の魅力が十分に引き出せていない
この2つを改善するだけで、バナーは一気に洗練され、「思わず手に取りたくなる」デザインに変わります。
Webデザイン初心者のバナーをプロっぽく見せる2つの基本ルール
では、バナーをプロっぽく見せる2つのルールについて確認していきましょう。
ルール1:バナーは文字が命!「読みやすさ」を最優先に
デザインにおいて最も大切なのは、一瞬で情報が伝わることです。
どんなに写真が綺麗でも、文字が読みにくければそのバナーは機能しません。
今回のバナーでは、キャッチコピー「雨上がりの宝石」が背景に埋もれてしまい、パッと見たときに視認性が落ちていました。これではせっかくのメッセージが伝わりにくいのです。
そこで有効なのが次の2つの方法です。
解決策1:文字の下に「座布団」を敷く
文字の背後に半透明の図形や色を敷くことを、デザインの世界では「座布団を敷く」と呼びます。
背景が多少複雑でも、座布団を使えば文字の視認性がぐっと上がります。
座布団の色は、バナー全体で使われているアクセントカラーや、その類似色を選ぶと自然に馴染みます。今回は紫を選びました。
元のバナーでは座布団が強すぎて逆に浮いていましたが、色味を抑えるだけで統一感が出て、ぐっとプロっぽくなります。
解決策2:背景をシンプルに整える
そもそも文字を置く部分の背景がごちゃごちゃしていると、いくら工夫しても読みにくくなります。
「文字はシンプルな背景の上に配置する」というのが基本ルールです。
今回の例では、次に解説する「写真の扱い方」を改善することで、背景自体を整理し、文字がはっきり読める環境をつくります。
ルール2:写真はバナーの主役!魅力を最大限に引き出す
バナーの印象を大きく左右するのは、写真の力です。
特に食べ物のバナーでは、「美味しそう!」「食べたい!」と思わせられるかどうかが勝負。
逆に言えば、写真の扱いを間違えると、せっかくの魅力も台無しになってしまいます。
今回の例でも、ゼリーの写真は綺麗ですが、背景と一体化してしまい、主役を際立たせる工夫が不足していました。
ここからは、3つの解決策を紹介します。
解決策1:主役(ゼリー)を切り抜いて分離する
背景除去ツールを使い、ゼリーだけを切り抜きましょう。
この結果、主役であるゼリーと背景を別々に編集できるようになり、デザインの自由度が一気に上がります。
「主役は主役、背景は脇役」と役割を分けるのがプロっぽいデザインにつながります。
解決策2:主役の魅力を引き出す編集をする
切り抜いたゼリーは少し暗く見えることが多いので、露出(明るさ)を調整してみましょう。
ほんの少し明るくするだけで、透明感や瑞々しさが増し、より美味しそうな印象になります。
「ちょっと暗いな」と感じたら、光を足すことを意識してください。
解決策3:背景を差し替えて、主役と文字を引き立てる
主役を切り抜いたことで、背景を自由に変更できるようになります。
今回は商品カラーに合わせ、紫系のシンプルなグラデーション背景を使用しました。
背景をすっきりさせることで、ゼリーがぐっと際立ち、文字の読みやすさも自然に解決します。
デザインのクオリティをさらに上げる4つの工夫
基本のルールで土台を整えたら、仕上げに少し工夫を加えることで、デザインの完成度は一気に跳ね上がります。
ここからは、プロのデザイナーが実際に意識している4つの工夫を紹介します。
工夫1:文字に強弱(ジャンプ率)をつけて視線を誘導する
すべての文字を同じ大きさにしてしまうと、どこを読んでほしいのかが伝わりにくくなります。
キャッチコピーの中でも特に伝えたい言葉を大きくし、他を少し抑えることでメリハリが生まれます。
これを「ジャンプ率をつける」と呼び、ユーザーの視線を自然と重要な部分に誘導すつことが可能です。
工夫2:情報を整理し、分かりやすさを追加する
情報はただ並べるのではなく、関連性を持たせて整理しましょう。
例えば「バタフライピー」という言葉は馴染みのない人も多いので、花の写真を添えるだけで直感的に理解できます。
また、ボタンやロゴなどの要素も大切です。サイズを少し小さめに調整したり、背景に馴染む色に変えるだけで全体がすっきり整います。
工夫3:整列を意識してプロっぽさを演出する
プロと初心者のデザインの差は、細部の整列に表れます。
文字やアイコン、ボタンの左端や上端をピシッと揃えるだけで全体がシャープになり、整っている印象を与えられます。
特に、文字とボタンの縦幅を揃えるなど、小さな意識がクオリティを大きく左右します。
工夫4:背景に薄いテクスチャを加えて奥行きを出す
背景が単調だと少し寂しく見えることがあります。
そこで、ほんのりとした模様(テクスチャ)を薄く加えると、奥行きと深みが生まれます。
ポイントは、ほとんど見えないくらい薄く入れること。
場合によっては、角度を少しつけるだけでさりげなくおしゃれ感を演出できます。
プロが添削したバナーデザインがこちら!
ここまでに紹介した内容をふまえ、BeforeとAfterを並べて見比べてみましょう。
同じ写真や素材を使っているにもかかわらず、印象はまるで別物になっていることがわかるでしょう。
改善したポイントは、次の4つです。
- 写真:主役のゼリーを切り抜き、明るさを調整して魅力を引き出した
- 文字:座布団で読みやすさを確保し、ジャンプ率で視線を誘導した
- 色:全体のトーンを整え、統一感を出した
- 配置:要素を整理して整列し、すっきり見やすくした
基本的な調整だけでも、これだけ“プロっぽさ”は大きく変わるのです。
ただこれは高度なので、まずは見た瞬間のわかりやすさを重視して、自分のデサインを修正してみてください。
まとめ:「センスがない」を卒業して、プロっぽいデザインへ
本記事で解説したポイントは、次のとおりです。
- 見た瞬間に読みやすい文字を最優先する
- 主役である写真の魅力を引き出す工夫をする
- 整列・強弱・情報整理など、小さな工夫を積み重ねる
デザインはセンスや才能が必要だと思われがちですが、実際には基本的なルールを守るだけで大きく変わります。
次に自分のデザインを見直すときは、「この文字はパッと見て読めるだろうか?「写真の魅力をちゃんと伝えられているだろうか?」という意識を持つだけで、デザインは確実に成長していきます。
小さな工夫の積み重ねで、バナーを“思わず目を引くデザイン”へと育てていきましょう。
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船越良太(@ryota_funakoshi)
デイトラWebデザインコース運営者。未経験から独学でWebデザインを学び、社会人2年目に独立。現在はデザイン会社社長・現役デザイナーでありながら、デイトラで受講生にWebデザインを教えている。